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ライフスタイルーデジタルフォト ismコンシェルジュ:伏見行介 板見浩史


伏見 行介
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映画や広告に登場したカメラの代名詞としてのNIKON

フォトグラファーを主人公にした映画がいくつかある。ざっと覚えているだけでも、古くはヒッチコックの「裏窓」(1954)、ミケランジェロ・アントニオーニ監督の「欲望」(1966)、フェイ・ダナウエイ主演の「アイズ」(1978)、クリント・イーストウッドがフォトグラファー役で登場して女性に人気を呼んだ「マディソン郡の橋」(1995)、ジュリア・ロバーツ主演の「グッドナイト・ムーン」(1998)などが代表的なところかな。国内でも、前に紹介した戦場カメラマン・一ノ瀬泰造を主人公にした「地雷を踏んだらサヨウナラ」などもあるし、あまりヒットしなかった映画も丹念に調べれば、結構な数にのぼるに違いない。

「裏窓」は、ジェームス・スチュアート扮する骨折したフォトグラファーが退屈しのぎにアパートの窓から覗き見をしていて、偶然おきた殺人事件に巻き込まれていくというストーリー。恋人役のグレース・ケリーの美しさもさることながら、主人公が商売道具のカメラ(ドイツのイハーゲ社製エキザクタ)に望遠レンズを装着して犯人を見張るシーンなどは、クラシックカメラファンにとっても見所のひとつだ。フォトグラファーの正義感に加え、真実を探るカメラとレンズの小道具としての役割が、とても効いていたような気がする。

カンヌ映画祭グランプリを受賞してアントニオーニの代表作のひとつとされる「欲望」は、サスペンスと不条理がミックスされた異色の作品だ。ちなみに原題は「Blowup」で、写真を引き伸ばす意味。ロンドンの売れっ子フォトグラファーが、公園でたまたまカップルを撮影したことをきっかけに、不思議な殺人事件に関わってしまう。ここで主人公の手にいつも携えられているのはニコンF。さまざまなシーンで職業写真家の道具としてリアリティーを演出しているが、主人公が無造作に紙袋に包んだFをロールスロイスのダッシュボードにしまう場面などもあったりして、こんなディテールも気にして観るとちょっと面白い。

ラストシーン、見えないボールでテニスに興じるイカレた若者たちにうながされ、「在るはずのない」ボールを投げ返す主人公。「在るもの」を「写す」ことを宿命とする写真家が自らの存在理由を失う一瞬だ。確かに自分のカメラが写し出した「事件」さえも、実際にあったのかどうか、謎のまま映画は終わる。

一方、大人のフォトグラファーをしっとりと描いたのが、有名な「マディソン郡の橋」。クリント・イーストウッドが制作・監督・主演のすべてを担当して話題を呼んだ作品だ。アイオワ州マディソン郡に点在する屋根付橋を撮影に来たナショナルジオグラフィック誌専属のフォトグラファー、ロバート・キンケイドがヒロインと短くも激しい恋に落ちるというラブストーリーで、そのストイックな展開は多くの女性の共感を得て大ヒットした。

イーストウッドの渋い演技の魅力も大きかったが、カメラファンにはここでもフォトグラファーの仕事のパートナーとしてニコンFがドラマに真実味を与えていたことが嬉しかったものだ。歴史と権威のある雑誌の専属写真家、真面目で誠意ある男のキャラクター、世界中を取材で駆け巡るタフさと機動性…そのイメージのすべてを小さな一眼レフが主人公と共有していた、といったら言いすぎだろうか。原作の時代設定は1965年だから、1970年まで生産されていたFは当時まだバリバリの現役。世界中で「ナイコン」と呼ばれ親しまれたニコンは、もうすでにカメラの代名詞を兼ねていたと言っていいだろう。

余談だが、この映画の封切り直後、映画に使用されたものと同じ機種の中古価格が急騰したという。ただ、これは決して一次的な人気や投機目的ではなく、本当のカメラファンたちにこの映画が名機の存在価値を再び思い出させてくれる、ひとつのきっかけになったのだと思っている。

実はニコンの一眼レフカメラは映画だけでなく、アメリカ企業のシンボルともいえる銀行と航空会社の企業広告にもかつて使われたことがある。どちらも機種はニコンFで、銀行の広告に登場したものはニッコールレンズを大きくデフォルメして新聞記事を映し出している。おそらく、正確でシャープな眼で市場や投資先を見つめています、といった顧客への企業メッセージなのだろうか。
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もう一方の航空会社の広告には、なんと飛行機の手前にFとレンズシステムがずらりと並び、一見するとカメラの広告のようだ。キャッチコピーには「Fly now,sell sooner」とある。すぐ飛びます、より早く売ってください―そんな意味だと思うが、とてもインパクトがある。光学精密機器の粋であるニコンを積荷として前面にPRし、そのイメージを借りながら自社の運航が安全で正確かつシステマチックなことを強調していて、さすが広告のうまいアメリカだと感心させられる。
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これも、広告に登用するカメラの信頼性と知名度がグローバルに認められていることが前提だということは言うまでもない。製品とは単に商品としての価値のみならず、人々の心に「歴史と信頼」―つまり真のブランドという、何ものにも代えがたい新たな価値を生んでこそ本物だからだ。「名機の資格」とはまさしくそれを極めることであり、そのDNAを受け継ぐ者の誇り、と言い換えてもいいだろう。

映画の話に戻ろう。「グッドナイト・ムーン」は、実の母親と新しい母親とが二人の子供をめぐって、対立しながらも最後には理解し支え合うというハートウォーミングなお話。子供たちの新しい母親として、またファッションフォトグラファーとして頑張る主役のジュリア・ロバーツの姿が健気で微笑ましい。この映画にもニコンが出てくるのだが、この時代はすでにデジタル一眼。育児に追われスタジオに遅刻した主人公が、私服のままのくつろぐモデルたちを急いで写し、合成画像処理で服を着せ1時間後には作品に仕上げるという荒業をやってのけるシーンがあった。1998年の封切り当時は、「ウッソー!」と思ったものだが、今では充分リアリティーがある。来るべきデジタル時代の写真の便利さが、当時そんなところにも予告されていた。この映画で使われていたカメラは、その翌年にデジタル一眼レフの最高級機として登場することになるニコンD1の前に開発された、デジタルスチルカメラE2NかE2NSのようだ。
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E2NS
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D1

いま最新のデジタル一眼レフ、フラッグシップモデルのD2XsやD2Hsから初心者用のD40までに連なるカメラたちを、スクリーンの中で垣間見ることができるのは結構楽しい。そのストーリーはもとより、日本のカメラが実は世界のスタンダードになっていることが、さまざまなシーンからも見えてくるところがカメラファンとしては嬉しいのだ。

また、デジタルカメラで写真を撮ることが楽しくなってきた人たちには、映画を観ることそのものもお薦めしたい。なぜなら、きちんとしたカットに基づいて撮り進められる映画のフレーミングは、実に完成度が高く、フレームを意識して見ていると構図や画面構成のとてもいい勉強にもなるからだ。映画を楽しみながら写真が上達するなんて、楽でいいしね。
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グッドナイト・ムーン
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マディソン郡の橋

# by nikondigital | 2007-02-05 20:09 | ヒストリー | Comments(3)

お手入れしましょう!

前回のニセコ寒冷地撮影編は、お役に立てましたでしょうか?
さて、結構厳しい状況でカメラを使ったあとは、お手入れが、メンテナンスが需要です。女性の方でしたら、お肌のお手入れは欠かさないはず、カメラでも同じ事です。
デジタル一眼レフカメラは、コンパクトデジタルカメラより、いろいろな撮影ができて、良い写真も撮れます。という事は、メカニズム的にも複雑にできています。
それだけに、ちょっとした気遣いで、常にベストコンディションのカメラで撮影ができます。
というわけで、今回はニコンのサービスセンターで、カメラの手入れ等のお話を聞きました。
今回おじゃましたのは、昨年の10月に銀座7丁目にオープンした「ニコンプラザ銀座」です。
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この大きなサービスセンターのなかには、ギャラリーのニコンサロンや、修理受付カウンター、プロ用のサービス部門、写真教室をするスペース等が入っています。
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お手入れしましょう!_d0083899_13274327.jpg板見先生が10月16日にアップした記事に載っている、ニコンが世界に認められるもとになったSシリーズも展示されています。
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お手入れしましょう!_d0083899_13291624.jpgもちろん現在の製品も展示され、手にとって見る事もできます。
カメラの量販店で見るよりも、ユックリと見られます。
関連グッズも販売しています。

お手入れしましょう!_d0083899_13293388.jpg
写真ギャラリーとして、伝統と品格を誇るニコンサロンです。多くの写真家がここから育ちました。

銀座のニコンプラザは、正月とビルの指定休日を除き、土日も祝日も19時までオープンしています。本当に便利です。銀座に買い物や食事に行ったついでに、是非寄ってみてください。

メンテナンスの第一歩は掃除です。
キムタクのD80のCMでカメラをいじりながら「本物だわ」とつぶやくシーンがありました。もしかすると、撮影でないのに、ああしてカメラにさわる事もメンテナンスの第一歩です。
なぜならば、カメラを触る事によりおかしな箇所や汚れの発見につながります。
汚れを発見したら、専用のクリーナーで掃除をしましょう。
人間にも、シャンプーやボディーソープがあるように、レンズはレンズ専用のクリーナー、ボディーはボディー用のクリーナーがあります。

お手入れしましょう!_d0083899_13295159.jpg
左からカメラボディーも拭ける、フィルムクリーナー、レンズを拭くレンズクリーナー、ゴミをはらう静電防止のブラシ、埃やゴミを吹き飛ばす、ブロアーです。この他、綿棒やクリーナーを染みこませてカメラやボディーを拭く「紙」等があります。
こんなに揃えるのは面倒くさいという人は、眼鏡を拭く布があれば、それで拭けば、けっこうきれいになります。
デジタル一眼レフカメラならではの問題として、CMOSやCCDといった受光素子の前にある、ローパスフィルターという所に、ゴミが着いてしまって、それが黒い点となって撮影した画像に写ってしまう事があります。これは、一眼レフの最大の特徴として、レンズが交換できるので、埃の多いところでレンズを交換したりすると、どうしても埃が付いてしまいやすいのです。レンズを交換するときに、ボディーを下に向けて交換するだけでも、違いがでるようです。
風景写真などを撮影したら、青い空に小さな黒いゴミが着いていたなんていう事で、気がつく場合があるようです。ゴミは常に写るのではなく、写らない場合もあるので、やっかいです。
お手入れしましょう!_d0083899_13301461.jpgもし、ゴミが着いてしまったら、全国のニコンのサービスセンターでは、カメラの保証期間中は無償で、保証期間終了後は1回¥1.000.-で掃除をしてくれます。必要な時間も1~2時間なので、待っていればできてしまいます。
サービスセンターは遠いという人は、ローパスフィルターを掃除するキットをニコンが¥8.190.- で販売していますが、現在は品切れ中という事なので、詳しくは各地のニコンサービスセンターに確認してください。

壊さない使い方
調子が悪くなったり、こわれてしまったら、当然修理に出さなければなりませんが、そのまえに壊さない使い方というのもあるのです。
例えば、スイッチのONとOFF。
CFカードやSDカードを入れたり出したりする時は、必ずカメラの電源スイッチをOFFにしてからにしましょう。また、手ぶれ防止装置の付いたVRレンズのボディーへの脱着は、やはりスイッチをOFFにしてください。
運動会なので、首からカメラをぶら下げて、走り回るのも結構カメラにはショックがかかるようです。これに関連してですが、正しいカメラのさげ方を教えていただきました。
お手入れしましょう!_d0083899_13303693.jpg
もう。おわかりでしょう。左のかけ方が、右が×のかけ方なのです。
最近の高倍率ズーム、私の使用しているAF-S NIKKOR VR ED18-200mm f1:35-56G 等はレンズが結構長くなり、右のようなかけ方をしていると、あちこちにぶつけてしまう事もあります。
お手入れしましょう!_d0083899_13315215.jpg左の写真は、スポーツや動物の写真家が超望遠レンズをカメラに付けて持ち運ぶ時の持ち方です。
こうして持てば、レンズの重さをボディーのマウントだけで担わなくてすみます。
いくら、丈夫にマウントができているからとはいえ、重いレンズをよくマウントだけで、支えられるなと、心配していたのですが、こういう持ち方をすれば、安心です。


寒い場所、暑いところでの注意
前回の雪の撮影のように、カメラが濡れてしまったら、タオルなどで良く拭いて、乾燥させてください。ただし、温度の低い外から温かい室内に、いっぺんに持ち込むと、眼鏡がくもってしまうような「結露」という現象が起きてしまいます。この現象はカメラに悪い影響を及ぼすので、もし結露させてしまったら、気長に完全に乾燥させてください。そして、その後、カメラの調子が悪かったら修理に出してください。
寒いところでは、バッテリーの無くなり方も早いので、必ず予備のバッテリーを持って行きましょう。

来週、私はインドネシアのバリ島へ行くのですが、今度は先週のニセコと打って変わって、暑くて湿気があり、海の近くの潮けもあり、カメラにとっても、かなり条件のきつい場所です。
撮影中は、日中の車内にカメラを置いたりしたらいけません。ひどい場合には、液晶パネルや他の液晶表示部が黒くなって使えなくなってしまう事もあります。
撮影が終了したら、ボディーやレンズをきれいに拭いて、潮けを落とす必要があります。
湿気のある暑い外から、冷房の良く効いた室内にはいっても、結露が起こりますので注意してください。

要は、人間が気持ち良いなと思う気候条件が、カメラにとっても良い環境なのです。

それでも、壊れてしまったら・・・
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上の痛々しい写真は、私のD200とAF-S NIKKOR VR ED18-200mm f1:35-56G です。ロケ先でうっかりミスでこうなってしまいました。もう修理するしかありません。
さて、修理に出すにはどうしたら良いか?
NikonではWebで修理を受け付けてくれます。
下はWebの画面ですが、質問事項に記入していく事により、大体の見積もりがでます。こちらからニコンへ送る送料は必要ですが、ニコンさんからこちらへ完成品を送る送料は無料です。
この方法でしたら、地方の方も正規の修理が受けられて安心です。
修理期間は、製品がニコンに届いてから、特別の事がないかぎり1週間とのことです。
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web
修理受付はここからどうぞ。
近くにサービスセンターがある方で、直接ニコンの方とコミュニケーションを取りたい方は、やはりサービスセンターが一番です。

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上の写真は、銀座の修理受付カウンターです。
直接、自分の愛機の症状を伝えられますので、やはり一番安心できるようなきがします。

車だってメインテナンスがあるでしょう。カメラは精密機械です。ちゃんとメインテナンスすれば、何年も元気で動いてくれます。

さて、次回は海外旅行編で、バリからのご報告です。
# by nikondigital | 2007-02-02 13:26 | アレンジ | Comments(2)

ステキなWinter Wander Land!!

東京は暖冬ですが、みなさんのお住まいの地域はいかがでしょうか?
寒いからといって、家に閉じこもっていてはいけません。冬こそ一眼デジタルを持って外にでましょう!
どうせ行くなら、う~んと寒い所、話題の所という事で北海道のニセコに行ってきました
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_2248267.jpg
上の写真は、ニセコの隣りヒラフの街のスナップです。
TVや雑誌等で、随分取り上げられているので、ご存じの方も多いと思いますが、ニセコ、ヒラフはオーストラリアからのスキー、スノーボードをしにくる観光客が、ここ4~5年異常に多い土地です。百聞は一見にしかずで、行ってみたのですが、予想以上なので驚いてしまいました。

ニセコを選んだ訳はもう一つ、フォトグラファーの依田さんが住んでいるのです。
依田さんは、常にブログランキングのベスト3にランクされている人気ブロガーで、犬やアウトドアの写真をNikon D70 をメインに使用して活発に写しています。寒さのベテラン依田さんから、寒冷地撮影のヒントを頂こうと思います。

今回、撮影に持って行ったのは、ある程度の雪のなかでも大丈夫な防塵防滴ボディーのNikonD200、レンズはAF-S NIKKOR VR ED18-200mm 1:3.5-5.6 G EDを持って行きました。

スポーツ写真はデジタル一眼レフカメラの得意種目 
スノーボードの撮影
ニセコといえば、上質なパウダースノー、そのパウダースノーを求めてオーストラリアの人達もスキーやスノボーをしにやってくるのです。という訳で、スノーボードの撮影です。
スポーツ写真撮影は、レンズ交換ができ、ピント合わせが早く、連続撮影もでき、レリーズタイムラグの少ない、デジタル一眼レフの独壇場です。

ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22484942.jpg
上の写真は次のカメラ設定で撮影をしました。
フォーカスモード:C この設定はシャッターをおしている間、動いている被写体に自動的にピントを合わせ続けます。
AFエリアモード:ダイナミックAFモード
測光モード:マルチパターンモード
動作モード:CH 高速連続撮影
ホワイトバランス:オート
露出モード:A絞り優先
絞り設定:F8
ISO感度設定:640
以上の設定をして、シャッターを押し続けました。
雪上での正しい露出決定は、オートでもチョットしたコツが必要でしたが、デジタルカメラですと、液晶モニターで確認できるので、簡単になりました。
昔なら、スポーツ専門のプロのカメラマンでなければ写せなかった写真も、今では簡単に写せるのです。

ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22491121.jpg
上の写真は、連続モードで撮影した写真で、この連続写真の4コマめの次の5コマめが、上の大きな写真です。

スノーボード撮影・上級編
次は、ナイター撮影に挑戦です。基本的は上の設定とおなじですが、露出モードをMマニュアルで、絞りF5.6 シャッタースピード1/125に設定して、ISO感度は1600に設定しています。
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22495977.jpg
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22501985.jpg夜のゲレンデの照明の明るさは場所によって差があります。目では同じような明るさに見えても、カメラで露出を計ってみると結構差があります。
そこで、シャッターを切る場所を決めて、そこの露出をマニュアルで合わせて、スノーボーダーがそこに近づき始めたときに、シャッターを押します。
昼間とは違った雰囲気の写真ができあがると思います。

ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_2251311.jpg今回、撮影協力で滑ってくれたのは、藤井真由美ちゃんです。となりに写っているのは真由美ちゃんの愛犬、オオカミ犬のマロン君です。
真由美ちゃんは、スノボー歴7年、競技会にも参加している、元気印の女の子です。
寒い中、ありがとうございました。


動きのある被写体 流し撮り
さて、次は動きを表現する「流し撮り」という手法です。
ニセコに着いた日、撮影のポイントを探すために幾つかスキー場をまわりました。
最後に寄った、ニセコアヌプリスキー場ではゲレンデ整備の雪上車が走り回っていました。
その動きを表現したくて撮影したのが、下の写真です。

ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_1119252.jpg
シャッタースピードを遅く設定して、被写体の動く方向に、被写体のスピードに合わせてカメラを動かして、この写真の場合は左から右に動かして撮影しますが、上下にカメラが動くと「ただの」ブレた写真にになってしまいます。重要なのはシャッタースピードで、被写体のスピードによりますが、1/30~1/4秒くらいが適当です。
この写真は、シャッタースピード1/8秒、絞り5.6 1/3(6.3)、露出モードはMマニュアルで撮影しました。
流し撮りは、ちょっとした慣れが必要ですが、撮影結果がすぐ見られる、デジタル一眼で撮影すれば「コツ」を掴むのも早いです。

測光モードによる違い
上級編の作例のような、画面の中で明るさの違いが結構ある被写体では、カメラの測光モードの設定の仕方で、できあがる写真の明るさがだいぶ違ってきます。下の写真は同じ場所を測光モードを変えて写した作例です。
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左はマルチパターン測光、右は中央部重点測光にセットして撮影をしました。同じ場所から撮影しても、ずいぶん違いがでるものです。ちょっと、複雑な光の状態の時はカメラのセッティングを色々ためして、液晶モニターで確認してみましょう。


寒いところでの撮影注意!
万能なデジタル一眼レフですが、ちょっと寒がりです。
人間でも、寒がりの人は、多めに着こんだりホカロンで暖めたりします。カメラも全く同じです。
適切な防寒をしないと、本来の性能がでなかったり、動かなくなってしまう事さえあります。デジタルカメラは、どこが寒さに弱いかというと、実はカメラそのものより、使用している電池と記録メディアが問題なのです。
一般的に電池は低温に弱い傾向が、あります。
今回の撮影では、最低気温がー7℃、最高気温でもー3℃くらいのなかで、これからご紹介する寒さ対策をしながら撮影しましたが、東京の撮影より20%ほど、電池が減る時間が早かったようでした。
また、案外知られていませんが記録メディアも低温には、あまり強く無いようです。
例えば、D200は記録メディアとしてCFカードを採用していますが、同じメーカーでも製品によって耐寒性能に差があります。
今回は、サンディスクのエクストリームⅢという書き込み速度133倍速のカードを使用しました。このカードはメーカー保証の最低温度はー25℃です。エクストリームⅡという、書き込み速度がもう少し遅く、価格も安いカードがあるのですが、こちらのカードのメーカー保証の最低温度は0℃です。東京で使用している時は、カードの書き込み速度ばかり気になりますし、メーカーも書き込み速度が「速い」ことばかり、強調して宣伝していますが、特殊な環境で使用する場合は、色々と調べてカードを選んだ方が良いようです。

防寒対策
カメラ本体:寒い外気にさらさない事に注意します。
一番簡単な方法は首からぶら下げて、ジャケットの内側に入れておき、撮影の時だけ出して使用し、撮影後はすぐにジャケットのなかにしまいます。ちょっとゴロゴロしますが、一番簡単な防寒対策です。もう少し本格的な寒さ対策はケースを使います。
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上の写真は依田さん愛用のロウプロというメーカーのケースです。クッションも入っているので、首から下げてスノボーをして、転んでも大丈夫です。このケースの中に白金カイロを入れておけば、万全です。

電池
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22553852.jpg寒いところでの撮影では、必ず予備の電池を持って行きましょう。その時も、裸で持ち歩かずケースに入れて持ち歩きます。今回使用したのはニコンの純正「バッテリーポーチ プロ」に、白金カイロを入れて携帯しました。

メディア ケース
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22555232.jpg記録メディアもやはり、裸で持ち歩かずにケースにいれます。
色々なケースがありますが、ウレタン製のクッションで防滴タイプがお勧めです。
今、私が気になるカードケースは、スライドマウントで有名なスイスのGEPE 社のケースです。

手袋
これも、依田さんからお借りしたものですが、アクシーズクイーンという会社の手袋で、指先が出るようになっているので、カメラ操作には凄く便利でした。
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カイロ
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_225623100.jpg寒いときには防寒ばかりでは無く、やはり積極的に暖める必要もあります。そういう時にはカイロです。今はカイロというとホッカイロのような、科学反応で暖めるタイプが一般的ですが、機材を暖めるには向いていません。科学反応タイプは、温かくなるのに人の体温が必要で、単独で使用すると温かくなりません。その点、白金カイロは大丈夫なので、カメラバックに2つくらいいれておくと効果的です。
ただし、飛行機で移動する時は、機内にも持ち込めず、手荷物としても預けられません。

依田さんに聞きました
ステキなWinter Wander Land!!_d0083899_22563953.jpg今回、撮影コーディネートをお願いした依田さんは、東京、札幌でグラフィックデザイナー、プランナーをした後、ニセコの自然に引き寄せられて、ニセコに移住したフォトグラファーです。
それだけに、1年を通じてニセコの撮影ポイントは熟知しています。
今度の旅では、ー7℃、風も少しあった時は体感温度がー13℃くらいでしたが、2月になると、気温がー20℃以下になる時もあるそうです。
そうなると、ズームレンズのズームの動きが堅くなったり、CFカードの調子がおかしくなる事もあるとの事です。
そして、注意しなければならないのは「結露」、眼鏡をかけている人ならわかると思いますが、寒い外から、あたたかい室内に入ると、眼鏡が曇ります。これが結露です。
同じ事が、カメラにも起こってしまいます。眼鏡ですとレンズだけですが、デジタルカメラですと、カメラの内の電子部品や受光素子にも結露してしまい事故の原因になります。
それを防ぐには、例えば二重窓の窓と窓の間にしばらくカメラを置いて、次に室内に入れるなどの注意が必要になるそうです。

それではみなさん、防寒準備をしっかりして、Winter Landを楽しんでください!!

ニセコの生活、自然がわかる、依田ワールドのブログ達です。
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下の写真は、依田さんの作品です。
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# by nikondigital | 2007-01-22 20:54 | ライフ | Comments(23)